妊活通信ー赤ちゃんを望むあなたへー

自己管理について

アルコールはほどほどに

「酒は天下の美禄なり」という言葉を遺したのは、江戸時代に『養生訓』を著した貝原益軒です。
彼は少量の飲酒は非常に健康に良いと説きました。
また、少量のお酒は血行をよくし、ストレスを和らげる他、食欲をアップさせるという効果も最近の文献などには見受けられます。
しかし、『養生訓』は「多く飲めば健康を害す」ということも説いています。
当然のことだと思われるでしょうが、いざ実践に活かすとなると難しい知識でもありますね。
1988年にデンマークで行われた調査研究によれば、20歳~35歳で初めて妊娠しようとしている430名の女性を対象に調査を行ったところ、ワインを1週間1杯~5杯飲む女性280人のうち179人(64%)は6周期以内に妊娠したのに対し、5杯以上飲む女性は136人のうち75人(55%)しか妊娠しませんでした。
男性の場合は1週間1杯~5杯飲む人は134人のうち90人(67%)、5杯以上飲む人は282人のうち164人(58%)という結果が出ています。
また、1週間に10杯以上飲む人の場合は、5杯以下しか飲まない人に比べると、なんと妊娠の確率は半減することがわかっています。
したがって、アルコールを飲み過ぎれば妊娠率は下がるというのは、もはや常識なのです。
最近では、女性がお酒を飲んでもたしなめるような人は少なくなりました。
それどころか、女性も社会的に男性と平等になったのだから、ということで、男性顔負けの酒豪も増えましたし、自宅などで晩酌するのが日課になっている女性もかなりいるのではないかと思います。
しかし、妊娠したい女性は、もしお酒を飲むならできるだけ温かいお酒を飲むようにしてください。
特に冷たいビールはその温度だけでなく、材料である麦自体が体を冷やす性質があるので、できるだけ避けた方が賢明です。
ビールは最初の一口だけにしましょう。 その後は日本酒の熱燗、ウイスキーや焼酎のお湯割りなどを楽しむ。
これを習慣にすれば、新しいお酒との出合いもあるかもしれません。 もちろん、飲み過ぎには注意してくださいね。
アルコールに対する強さの差はどこで決まっているかご存じでしょうか。
これは体内に分解酵素をどれだけ持っているかによってわかります。
しかし、一般的には大量のお酒を毎日飲み続ける習慣が何年も続くと、アル中になったり、健康を害することが明らかになっています。
具体的には1日に日本酒なら3合、ビールなら大瓶3本、ウイスキーならダブルで3杯以上を飲んでいると赤信号です。
若い時から毎日浴びるように飲んでいれば、多少お酒に強くても肝臓や腎臓は絶対傷んでいます。
できるなら日本酒は2合までに押さえましょう。
度数の高いウイスキーなどのお酒はお湯割りにして、グラス2杯ぐらいまでを上限にするべきです。
原因不明の不妊だと診断された場合や、高度生殖医療を受けている場合は、禁酒してみるのも一つの方法として有効です。
お酒をやめれば、自分の体調や検査の数値も変わってくるでしょう。
また、男性の場合、飲み過ぎはセックスに悪影響を及ぼすことがあるので、お酒は適量を守るべきですね。
男性が「彼女が妊娠するまでお酒の量を減らす!」と言えば、パートナーはその姿勢に感激するのではないでしょうか。

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